ちっちファミリー物語
ちっち妊娠発覚!
みーちゃんの死後、ちっちは姿を見せたり見せなかったりでした
そんな中、4月末に明らかにお腹が大きくなっているのがわかりました
うちの庭で産まれては困る・・・と思いながらも、ちっちが姿を見せたときにはご飯をあげていました
いつしかお腹は凹み、ちっちがどんどん痩せていきました
しかし子猫の気配はありません
私達は、ちっちがどこか別のことろで子供を出産し、子育てに奮闘し、合間を縫ってご飯だけを食べに来て居るのだと考えていました
子猫が誕生していた
6月29日、春先にはあまり使っていない納屋の隙間に、辺りを気にしながらちっちが入って行くのを父が目撃しました
何かあるのか、と、父が納屋を開けたところ突然子猫が飛び出して来たのです
そこで初めて、ちっちが我が家の納屋で子猫を5匹出産していたことがわかりました
発見した際には、母猫から母乳をもらいつつ私達が与えた子猫用の離乳食は問題なく食べ、また個体によってはドライフードを噛み砕いて食べられていました
子猫の発育状況から生後約1ヶ月くらいであると推察されました
子猫達は非常に警戒心が強く、少しでも動くとさっと逃げて物影に隠れてしまい、観察するにはじっと待ってる必要がありました
母が子供達に命名しました
みんな果物の名前になりました
弟が生き物に食べ物の名前をつけるのはナンセンスだと呆れておりました笑
ちっちと母の絆
子猫観察中、ちっちの「母性」は私達を深く感動させました
ちっちへの労いの意を込めて秋に釣った鮭を茹でて差し入れた時、ちっちは味見のように少しだけそれを食べると、不思議な鳴き声で子供を呼び集め、子供が鮭を食べ始めたら自分は後ろに下がりそれをじっと見守っていたのでした
晴れた日には辺りを警戒しながらも、子供達をみーちゃんと過ごしたビニールハウスの中で遊ばせていました
その光景の数々に甚く感動した母とちっちの間には、以後特別な絆で結ばれたような空気が流れていました
子猫の保護
さて、ちっちの子供が産まれたことは大変喜ばしいことではありますが
庭先での猫の過剰な繁殖(特に近親婚)を避けるために、5匹+母猫を庭先で面倒をみる(ちょうど良いタイミングで全ての猫に避妊去勢の手術を受けさせる)のは難しいと考え、数匹を保護し家庭内で育て、残りの子猫に関しては、それぞれタイミングの良い時に避妊去勢を行うことにしました
母子共にという選択肢もあったのかもしれませんが、今まで自由に外で生きて来たちっちを突然家の中で閉じ込めて暮らさせるのは可哀想だというのが我が家の価値観でした
子猫を親から引き離すタイミングは悩みましたが
彼らを私が引き取るには 、先住猫(シシィ嬢)が居ることもありエイズ・白血病に罹患していないというのが最低条件
早い段階での子猫の保護が必要であると判断し、離乳が完全に終了した折を見て(推定6~7週間)、子猫を保護する決断をしました
「保護」と言えば聞こえはいいですが、警戒心の強い子猫達だったので内容はほぼ「捕獲」に近い状態でした
しかし、そのままにしておくわけにもいかず、7月15日、心を鬼にして決行しました
仔猫のこと
結局、3匹(もも、ゆず、りんご)を捕獲しました
保護した3匹に関してはその日に獣医で健康チェックをしてもらい
体重はモモ♀840g、ユズ♂840g、リンゴ♂920gで、大体生後6~7週で間違いないということでした
子猫達はみんな耳ダニ・シラミ・便虫などは全て陰性で、咳嗽や目ヤニなど猫カゼの罹患を疑うような所見もなく血液検査も問題なく、健康そのものでした
結局、生後2ヶ月となる8月頭に1回目予防接種、9月頭に2回目予防接種、2回目予防接種の際にエイズ・白血病のスクリーニング検査を行い、問題なければシシィのお部屋に迎え入れるという予定を立てました
子猫の感染有無が判明するまでは実家で世話をし(他に飼い猫のいない環境)、諸々の感染症の陰性が確認されたら我が家に・・・という手はずです
子猫のエイズ・白血病が陽性と確認された場合には、新たな里親を探すか、早い段階で避妊去勢手術を行って地域猫として外で世話をするなどの選択肢を考えています(8月末現在)
ちっちのこと
次の週、次はちっちを病院に連れて行き、ちっちの健康状態チェック、エイズ白血病のスクリーニングを行いました
ちっちは朝ご飯をあげに行くと食べた後に母の膝の上でくつろぐのが日課です
病院に行く日も、抱っこを嫌がることなく、病院の待合室でも、大人しく母の膝に座って待っているちっちの姿はとても愛らしいものでした
診察台に乗ると”ちっちゃい”「ちっち」の体重は実際2.8kgしかありませんでした
特段痩せて居るわけではなく、骨格が小さいのです、年齢は推定2歳
ちっちは出産の影響もあってか炎症反応と腎機能の数値が少し高いこと、犬歯が一つかけていること、それ以外に大きな健康上の問題はありませんでした
そして問題のエイズ・白血病のスクリーニング検査ですが
なんと、どちらも陰性でした
これには嬉しくてその場で泣いてしまいました
ほぼ母親としか接触していない生後間もない仔猫達は母子感染以外には感染ルートがないため母親が陰性の場合、仔猫もほぼ100%陰性です
そして何より、ちっちがこれらに感染していないという事実そのものがとても嬉しかったです
みーちゃんの愛した美しき猫・ちっち
穏やかな性質と小さな身体で5匹もの子供を産み、深い愛情の元に5匹全てを美しく健やかに育てあげ、本当に素晴らしい猫であり母です
その後、8月中旬にちっちは避妊手術を行いました
痛い怖い思いをいっぱいさせられ、子供達とどこかへ旅立ってしまうかなと思いました
しかし、ちっちはそれからもずっと残された2匹の子猫(いちご・みかん)と共に我が家の庭で暮らしています
みーちゃんの愛した、美しき猫ちっち
その子供3匹と一緒に暮らせる幸運に感謝、そして、ちっちと子供達から母子の大切な時間を奪ってしまったことへの償いを胸に、もも、ゆず、りんごの3匹を大事に大事にしたいと思います